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黒釉丸紋花七宝茶碗 宮川香斎

黒釉丸紋花七宝茶碗 宮川香斎

通常価格 $4,503.00
通常価格 セール価格 $4,503.00
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高さ :8.0cm  幅 : 12.0cm   

「黒釉丸紋花七宝茶碗 宮川香斎」は、茶道具の中でも特に美しく、精緻なデザインが施された抹茶碗です。鉄分を多く含む釉薬によって、深い黒色が際立ち、そこに繊細な七宝文様と丸紋が施されています。この作品は、抹茶碗としての理想形とも言えるバランスの取れた形状と、象徴的なデザインが特徴で、日本の伝統工芸を代表する一品です。

黒釉の美しさと技法

この茶碗で使用されている黒釉(こくゆう)は、鉄分を多く含むため、焼成の過程で深い黒色に発色します。黒釉は、抹茶の鮮やかな緑色を引き立て、茶席において視覚的な美しさと落ち着きをもたらします。また、黒釉は陶芸の中でも技術的に難しい釉薬の一つであり、焼成時の温度管理や酸化・還元の調整が求められます。この釉薬を使いこなすには、長年の経験と技術が必要とされ、宮川香斎の技術力がいかに高いかを物語っています。黒釉の上に描かれた丸紋と七宝文様は、黒の背景に映えるように色鮮やかに描かれ、茶碗全体に生命力と品格をもたらしています。

七宝文様の意味と象徴

「七宝文様」とは、仏教の用語で「七つの宝」を意味し、元々は仏教的な価値観を反映した文様でしたが、日本においては人と人との繋がりや子孫繁栄、円満な家庭を象徴するデザインとして広く使われてきました。この文様は、同じ大きさの円が無限に連続して繋がることで、人々の縁(えん)や繋がりが永遠に続くことを示しています。そのため、七宝柄は「円満」「調和」「ご縁」を象徴する縁起の良い文様として、茶道具や衣装、建築装飾などにも頻繁に用いられてきました。特に、この茶碗に施された七宝文様は、茶の湯の世界で「縁」を大切にする精神を表現しており、茶席における人と人との結びつきを象徴しています。また、七宝柄は「無限の子孫繁栄」を象徴する吉祥紋としても知られ、結婚式や新築祝いなどの場でも縁起の良い模様として扱われています。

丸紋花七宝の美と伝統

「丸紋花七宝」とは、草花を円形に図案化したデザインのことで、「花丸」とも呼ばれます。花丸は、能装束や小袖などの伝統的な衣装に使われてきた古典的な文様で、花や植物をモチーフにした優雅なデザインが特徴です。この文様は、写実的なものから抽象的なデザインまで多岐にわたり、時代ごとにその形を変えながらも、常に愛され続けてきました。丸紋花七宝は、茶碗全体にバランスよく配置され、単なる装飾以上に、日本文化の精神性や美意識を感じさせる要素を持っています。このデザインは、自然の美しさと人間関係の調和を象徴し、茶の湯の場で使用される茶碗にぴったりの文様です。

宮川香斎様と真葛焼の伝統

「宮川香斎」は、京焼の名門「真葛焼」の技法を継承する家系であり、その歴史は江戸時代にまで遡ります。宮川香斎家の始祖である宮川祐閑は、1684年から1687年にかけて京都で陶芸を始め、その後、宮川家は代々京焼の技術を発展させてきました。特に「ワラ灰釉」を使用した作品は、真葛焼の代表的な技法の一つであり、宮川家で200年以上にわたり継ぎ足し作り続けられている釉薬です。この茶碗にも、宮川家の伝統技法が余すところなく取り入れられており、手作業での精緻な絵付けや釉薬の繊細な調整が行われています。真葛焼の技術は、透明感のある釉薬や複雑な装飾を特徴としており、特に色絵と呼ばれる多彩な釉薬を使った作品は国内外で高い評価を受けています。宮川家の陶器は、長い歴史の中で日本の茶道具や煎茶道具の発展に大きな役割を果たしてきました。

現代における真葛焼の評価

宮川香斎家の作品は、国内外の美術館や個人コレクターに所蔵されており、その美しさと技術は今も高く評価されています。特に「黒釉丸紋花七宝茶碗」は、そのデザイン性と使い心地から、茶の湯の世界で非常に人気が高い作品です。この茶碗は、茶会で使用されるだけでなく、美術品としても多くの人々の目を引き、真葛焼の技術と美意識が世界的に評価される一因となっています。

また、宮川香斎家は、アメリカやイギリス、フランス、中国など、世界中の陶芸愛好家や美術館においても高い評価を受けており、ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)、ユネスコ日本政府代表部(パリ)などにも彼らの作品が収蔵されています。茶道具としての実用性はもちろん、美術工芸品としての価値も高い作品が多く、真葛焼は日本の伝統工芸の代表としてその存在感を増しています。本作は、京焼の伝統と技術が融合した逸品であり、その黒釉の深い色合いと七宝文様、丸紋の美しさが調和した茶碗です。茶の湯の世界において、この茶碗は単なる器以上の価値を持ち、人々の繋がりや縁を象徴する存在として、静かに茶席に華を添えています。宮川香斎家の長い歴史と技術が結晶したこの茶碗は、今後も多くの茶人や美術愛好家に愛され続けることでしょう。

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