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色絵源氏絵巻香合 宮川香斎

色絵源氏絵巻香合 宮川香斎

通常価格 $4,503.00
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高さ :3.0cm  幅 : 5.0cm × 7.0cm 

「色絵源氏絵巻香合 宮川香斎」は、茶道における香合の中でも特に格式高く、かつ美しい作品です。香合とは、茶道の炭手前で使用される香を入れるための容器であり、炭手前が省略されることが多い現代では、床の間に飾られることが一般的です。床の間に置かれる香合は、茶会における亭主の趣味や美意識が反映され、また来客がその趣向を鑑賞するための対象ともなります。この「色絵源氏絵巻香合」は、まさにそのような亭主の美的センスと歴史的な意匠を体現した逸品です。

源氏物語と香合の美術的意義

平安時代の11世紀、関白藤原道長の娘である中宮彰子に仕えた女房、紫式部によって著された『源氏物語』は、光源氏という人物を中心に、平安貴族の優雅で複雑な生活を描き出した文学作品です。この物語は、日本文学の最高傑作の一つとして広く評価されており、物語成立後約150年後に、絵画として表現されたのが「源氏物語絵巻」です。『源氏物語絵巻』は12世紀に生まれ、日本で最も古い絵巻物の一つであり、54帖の各帖から選ばれた場面が繊細に描かれています。この香合には、まさにこの『源氏物語絵巻』の雰囲気を再現した意匠が施されており、茶会や床の間を飾る際に、その歴史的価値や文化的深みを感じさせます。本作に描かれた源氏物語の場面は、平安時代の貴族社会の雅な雰囲気を伝え、見る者に物語の世界へと誘うような魅力を放っています。特に、光源氏の物語が持つ美しさや哀愁が、香合の絵柄に深く表現され、単なる道具以上の美術品としての価値が高められています。香合を通じて、平安時代の貴族たちの生活や感情を感じ取ることができるという点が、この作品の特筆すべき魅力です。

真葛焼の歴史と技法の継承

真葛焼は、宮川家の長い歴史に支えられた京焼の代表的な流派の一つであり、330年以上にわたり、さまざまな技法を発展・継承してきました。真葛焼の始まりは、貞享年間(1684〜1687年)に祐閑宮川小兵衛政一が、知恩院門前に居を構え、陶芸を始めたことに遡ります。宮川家は代々、仁清写しや乾山写し、染付、鉄絵、交趾、金欄手といった京焼の伝統技法を網羅してきましたが、それだけではなく、時代のニーズや美意識に応じて新しい作風も取り入れてきました。特に宮川香斎様は、歴代の香斎が培ってきた技術を継承しつつ、真葛焼の美しさをさらに発展させることに成功しています。この「色絵源氏絵巻香合」も、真葛焼の伝統技法をふんだんに用いた作品であり、上絵の繊細な彩色や、平安時代の雅を感じさせる絵柄が印象的です。源氏物語というテーマを取り入れることで、古典文学の持つ深い文化的背景を現代に蘇らせ、見る者に感銘を与えます。香合という小さな器物の中に、数百年にわたる技術と歴史が詰め込まれているのです。

茶道具としての香合と美的価値

茶道具としての香合は、茶会の中で重要な役割を果たします。炭手前で使用される際には、茶室の空気に優雅さをもたらし、香の香りが場を引き締める役割を担います。しかし、炭手前が行われない場合でも、香合は床の間に飾られ、茶会の趣向を演出する一部となります。この「色絵源氏絵巻香合」は、そうした茶会での美意識を象徴するものであり、茶室の風景の中で特別な輝きを放つことができます。また、この香合は単なる道具としての価値だけでなく、美術品としての価値も非常に高いものです。平安時代の文学と絵巻の融合が、雅やかな彩りで表現されており、見る者に深い感動を与えます。香合としての実用性はもちろんのこと、季節の移ろいや茶会の趣向に合わせて鑑賞できる作品であり、茶道具の中でも特に高い地位を占めています。

宮川家の伝統と真葛焼の未来

宮川家の歴史は、貞享年間に始まり、その後の江戸時代から明治・大正、そして現代に至るまで、茶道具や煎茶道具を中心に作陶を続けてきました。特に、四代目永誉香斎の時代から茶道具としての真葛焼が確立され、茶の湯の精神を体現した作品が多く生まれました。この「色絵源氏絵巻香合」も、茶の湯の美学を踏襲しつつ、源氏物語というテーマで独自の表現を展開しています。現在、真葛焼は国内外で高く評価されており、アメリカ、イギリス、フランス、中国など、各国の陶芸愛好家に愛されています。また、宮川香斎の作品は、ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)、ユネスコ日本政府代表部(パリ)、国際交流基金など、多くの国際的な機関や美術館に収蔵され、世界的に評価されています。この「色絵源氏絵巻香合」もまた、国際的なコレクションに加わる可能性があり、その雅やかで洗練された美しさは時代を超えて多くの人々を魅了し続けることでしょう。本作は、歴史と美術が融合した芸術作品です。平安時代の貴族文化を表現した源氏物語絵巻と、それを現代に伝える真葛焼の技術が見事に融合し、茶道具としてだけでなく美術品としての高い価値を持っています。香合の細部にまで込められた職人技と雅なデザインは、茶道の精神を深く反映しており、その美しさと奥深さは、鑑賞者に永遠の感動を与え続けることでしょう。この香合は、家宝としてだけでなく、世代を超えて愛されるべき名品であると言えます。

 

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