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皮鯨茶盌 猪飼祐一

皮鯨茶盌 猪飼祐一

通常価格 $1,323.00
通常価格 セール価格 $1,323.00
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税込。 配送料はチェックアウト時に計算されます。

幅 : 14.6cm   高さ :7.6cm 

ご紹介

皮鯨の特徴と装飾美

「皮鯨」とは、唐津の茶碗やぐい呑みに見られる伝統的な装飾で、口縁部に黒い縁取りを施す技法です。その名は、黒い縁を鯨の皮に見立て、器本体の白や灰色の部分を鯨の腹側に例えたことに由来しています。この黒色は鉄絵具を使用しており、釉薬をかけて焼成することで、鉄分が黒く発色し、独特の美しい表情を生み出します。

猪飼祐一様の皮鯨茶盌では、線の太さや細さが器の表情に動きを与え、鉄絵の描かれ方も作品によって変化します。均一に描かれたものから、口縁を一周する中で途切れるものまで、さまざまな表情を楽しむことができます。

内側と外側の対比

この作品の特徴的な要素の一つに、内側と外側の対比があります。見込み(器の内側)には、太く力強い線で鉄絵が描かれているのに対し、外側の口縁部には細い黒線が繊細に描かれています。この繊細さが全体を引き締め、内と外で異なる雰囲気を演出しています。こうした対比が作品に深みを与え、見る角度によって異なる印象を与えることで、飽きの来ない美しさを保っています。

「変化」と「対比」の重要性

陶芸作品全般において、完璧に対称的な形や均一な色調では、奥深さに欠けることが多いです。そのため、釉薬の流し掛けや削り跡による微妙な「変化」を加えることで、器に生命が宿ります。この茶盌では、釉薬の流れや削りの技法が絶妙に組み合わさり、器に独自の表情を与えています。また、装飾の華やかさと静かさのバランスが取れており、長く使っても飽きがこない作品として完成しています。

高台の美しさと細部へのこだわり

高台の部分も、作品の美しさに欠かせない要素です。猪飼祐一様の皮鯨茶盌は、土見せの高台が特徴で、土の素朴な質感が生かされています。口縁近くの透明釉や灰釉の階層が美しく調和し、胎土の鉄分による褐色の発色が高台周りに独自の風合いをもたらしています。こうした細部へのこだわりが、作品全体のバランスを整え、釉薬の層が自然に重なり合うことで、より深い美しさを引き出しています。

まとめ

猪飼祐一様の「皮鯨茶盌」は、鉄絵の強さと繊細さ内外の対比、そして釉薬や削り技法による微妙な変化が絶妙に調和した作品です。長く使うほどにその魅力が増し、見る者に新たな発見を与える奥深さが備わっています。このような対比や変化が、茶陶において永遠の美を生み出し、日常の中での使用をより豊かな体験にしてくれます。

猪飼祐一 略歴
1963 (昭和38年)
・京都五条坂の陶器商に生まれる
1983 (昭和58年)
・京都府立陶工訓練校 成形科卒業
1984 (昭和59年)
・京都市立工業試験場 陶磁器研修修了
・重要無形文化財保持者 故清水卯一氏の指導を受け、
・六月 喜兵衛窯開窯(屋号の六代目壺屋喜兵衛より)
・清水卯一・保孝 両氏に師事
1985 (昭和60年)
・日本工芸会近畿支部展 初入選(以後、連続入選)
・チェラミスタ展 参加
1986 (昭和61年)
・日本伝統工芸展 初入選
1987 (昭和62年)
・一門展 蓬莱会(池袋西武) 卯月会(大阪松坂屋)に出品許さる
・日本工芸会近畿支部展で  松下賞受賞
・京都の時代を担う わん展 京都大丸
1988 (昭和63年)
・茶美会 参加 京都ミリエーム
1989 (平成元年)
・土の子会 結成 (清水卯一氏命名)
・日本工芸会近畿支部展で奨励賞受賞
1990 (平成2年)
・銀座 黒田陶苑にて初個展
・板橋 瑞玉にて個展
1993 (平成5年)
・大阪 三越にて個展(以後も開催)
1994 (平成6年)
・日本工芸会 正会員に認定
・松山 画廊きよみずにて個展(以後も開催)
・嵯峨大覚寺 花の陶展で奨励賞受賞
1995 (平成7年)
・京都 大丸にて個展(以後も開催)
・神戸 阪急にて個展(以後も開催)
1996 (平成8年)
・京都府南丹市日吉町に工房移転
・ぎゃらりい栗本にて個展 新潟長岡(以後も開催)
・京都在住現代陶芸家展 京都大丸
1997 (平成9年)
・陶考 三人展 新宿伊勢丹(近藤髙広氏・市野雅彦氏)
1998 (平成10年)
・京都俊英作家展 広島そごう
1999 (平成11年)
・下関 大丸にて個展
2000 (平成12年)
・遊にて個展 東京パレスホテル(以後も開催)
・洛中洛外ギャラリーにて個展 京都清水焼団地
・清華大学国際陶芸展に出品 中国北京
2001 (平成13年)
・第三十回日本伝統工芸近畿展において最高賞の近畿賞受賞
・天満屋にて個展 広島三原
2002 (平成14年)
・工芸いまにて個展 東京銀座
・三越本店にて個展 東京日本橋
・CRIA展出品 京都芸術センター
2003 (平成15年)
・第三十二回日本伝統工芸近畿展において滋賀県教育委員長賞受賞
・銀座 黒田陶苑 青瓷展(以後も開催)
・名鉄百貨店にて個展 名古屋
・現代韓日陶芸展出品 ソウルKUMHO美術館
・祇園小西にて個展 京都
2004 (平成16年)
・第三十三回日本伝統工芸近畿展において鑑査委員に就任
2005 (平成17年)
・京都 大丸美術画廊にて個展
・第三十四回日本伝統工芸近畿展より特待者出品
2006 (平成18年)
・陶三人展 京都高島屋
・現代陶芸家展出品 神戸そごう
・作家四人展 奈良近鉄
・ギャラリー和田にて個展 京都石塀小路(以後も開催)
・堂島ギャラリーにて個展 大阪(以後も開催)
・三越本店 美術画廊にて個展 東京日本橋
2007 (平成19年)
・六々堂にて個展 京都二年坂
・京阪百貨店にて個展 大阪守口
・登り窯 築窯
2008 (平成20年)
・ギャラリー卯甲にて個展 横浜馬車道
・近鉄百貨店にて個展 奈良西大寺
2009 (平成21年)
・高島屋にて個展 京都
・三越本店 美術画廊にて個展 東京日本橋
2010 (平成22年)
・板橋 瑞玉にて個展(以後も開催)
2011 (平成23年)
・JR大阪三越伊勢丹にて個展 大阪梅田
2012 (平成24年)
・六々堂にて個展 京都二年坂
・福岡三越にて個展 博多
・回廊ギャラリー門にて個展 茨城笠間
2015 (平成27年)
・阪急うめだ本店にて個展 大阪梅田(以後も開催)
2016 (平成28年)
・アトリエ ヒロにて個展 大阪淀屋橋(以後も開催)
2017 (平成29年)
・京都五条坂にも再び工房を構える
2018 (平成30年)
・ギャラリー山咲木にて個展 東京日本橋人形町(以後も開催)
2022 (令和4年)
・公益社団法人 日本工芸会近畿支部幹事長に就任
・公益社団法人 日本工芸会理事に就任
・一般財団法人 京都陶磁器協会理事に就任
・一般財団法人 KYOTO KILIN理事に就任
・五条坂で代々続いてきた陶器商を閉め改装開始
2023 (令和5年)
・「壺屋・喜兵衛・窯」ショウルームとして
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    作品により貫入などによる、茶碗への染み込みが発生することがございますが、それも経年変化の味わいとしてご理解いただきますようお願いいたします。

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