灰釉花器 竹村繁男
灰釉花器 竹村繁男
幅 : 10cm 高さ :16cm
灰釉花器の色彩美とフォルムの魅力
竹村繁男様が手掛ける「灰釉花器」は、灰色を基調とした色彩の中にほのかに青が差し込む独特の美しさを持っています。この青色は、自然の釉薬が醸し出す彩りであり、灰釉の繊細さと陶土の力強さが見事に調和しています。この器は、たとえ花を活けなくとも、空間に存在感を放つデザインと安定感のある形状が印象的です。基礎に忠実でありながら、緻密な造形美を備えており、作品は現代の陶芸の名作と称するにふさわしいものです。
自然灰釉による独自の釉薬と色彩の表現
杉、葡萄、向日葵といった植物の灰を用いることで、自然由来の釉薬を生み出しています。杉灰釉は、杉の木の灰を基にしたもので、鉄分が柔らかな緑色のビードロ(緑釉)を生み出し、温かみのある自然な表情を作品に反映させています。植物の灰を水で丁寧に洗浄し、不純物を取り除くことで、灰釉の中に現れる自然な色の微妙なニュアンスが一層引き立つのです。
陶芸家としての竹村繁男の道のり
竹村繁男様が陶芸に進むきっかけは、高校時代の陶芸学科での学びでした。陶芸科で基礎を学んだ後、京都府指定無形文化財保持者である木村盛伸氏に師事しました。竹村様は約8年間の修業を経て独立し、現在は京都の山科に構える大日窯で作品制作を続けています。自然灰釉へのこだわりは、古代中国から伝わる技法を受け継ぎ、素材の持つ個性を最大限に引き出すことにあります。こうして、ひとつひとつ異なる表情を持つ作品が生み出されているのです。
現代陶芸における灰釉花器の独自性と存在感
「灰釉花器」は、自然の素材と釉薬の美しさを最大限に活かし、現代陶芸において独自の地位を築いています。この作品は、器の一つひとつが圧倒的な存在感を放ち、自然素材と伝統技法の融合により、観る者に深い感動を与えます。竹村様の作品は、単なる器の枠を超えて、自然の美と人の手が織りなす芸術として、陶芸ファンや愛好家の間で高く評価されています。
竹村繁男 略歴
昭和二十八年 : 京都府山科生まれ
昭和四十七年 : 京都市立日吉丘高校陶芸科卒業-木村盛伸先生に師事
昭和五十年 : 第四回日本工芸会近畿支部展 初入選
昭和五十三年 : 京都府工芸美術展 入選
昭和五十五年 : 独立し山科に大日窯を開窯
昭和六十三年 : 第三十五回日本伝統工芸展 入選
平成元年 : 「土の子会」結成
平成二年 : 第三十七回日本伝統工芸展 入選
平成八年 : 第二十五回日本伝統工芸近畿展 奨励賞
平成十年 : 第五十三回新匠工芸会展 入選
平成十三年 : 京都工芸美術作家協会展,京都「高島屋」にて個展
平成十四年 : 第四十九回日本伝統工芸展 入選
平成十五年 : 岡山高島屋画廊にて個展
平成十七年 : 横浜高島屋美術画廊にて個展
平成十八年 : 京都高島屋美術画廊にて個展
平成十九年 : 第三十六回日本伝統工芸近畿展 京都府教育委員会教育長賞
日本工芸会正会員認定
岡山高島屋画廊にて個展
平成二十年 : 日本工芸会陶芸部会正会員による第三十六回新作陶芸展 日本工芸会賞
平成二十一年 : 第五十六回日本伝統工芸展 入選
平成二十二年 : 第三十九回日本伝統工芸近畿展にて鑑査委員に就任
平成二十六~三十年年 : 日本伝統工芸近畿展 入選
令和元年~六年 : 日本伝統工芸近畿展 入選
令和五年 : 日本伝統工芸展 入選
令和六年 : 日本伝統工芸展 入選
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