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仁清写し松竹梅鶴の絵茶碗 宮川香斎

仁清写し松竹梅鶴の絵茶碗 宮川香斎

通常価格 $3,752.00
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高さ :10.0cm  幅 : 12.5cm 

「仁清写し松竹梅鶴の絵茶碗 宮川香齋」は、茶碗全体に渡るデザインと技法が見事に融合し、日本の美意識と伝統が凝縮された芸術作品です。この作品は、野々村仁清の作風を模倣しつつも、独自の創造力と宮川香齋家の伝統技法を反映させた「仁清写し」の逸品です。

松竹梅と鶴の絵柄

まず、茶碗に描かれた「松竹梅」と「鶴」は、古来より縁起の良い象徴として親しまれてきました。松竹梅は中国に由来する「歳寒三友」として知られ、これらの植物は寒さの中でも緑を絶やさず、花を咲かせることから、生命力や繁栄を象徴します。具体的には以下のような意味があります。

  • : 松は厳冬でもその緑を保つことから「長寿」の象徴とされています。日本庭園や正月の飾り物にもよく使用され、生命力の強さと不屈の精神を表します。

  • : 竹はしなやかで折れにくいことから「成長」や「柔軟さ」の象徴です。成長が早く、どんどん高く伸びる竹は、進展や繁栄の象徴でもあります。

  • : 梅は冬を越えて最初に花を咲かせるため「気高さ」や「清純さ」、また「長寿」の象徴とされます。早春に梅が咲く景色は特に日本人にとって特別なものであり、茶碗に描かれる梅の花もまた、春の到来と希望を象徴しています。

さらに、この茶碗にはが描かれています。鶴は「千年の寿命」を持つと伝えられる長寿の象徴であり、特に金の鶴は富や繁栄の象徴ともされています。鶴は夫婦で一生を共にすることから「夫婦円満」の象徴でもあり、家族の繁栄や幸福を願う意味も含まれています。このように、松竹梅と鶴が一体となって描かれた茶碗は、ただ美しいだけでなく、縁起の良い意味を持つ象徴が随所に散りばめられています。

仁清写しの技法

「仁清写し」とは、京焼の巨匠、野々村仁清の技法や作風を再現しながらも、独自の工夫や美学を加えた作品のことです。仁清は、江戸時代前期に活躍した陶芸家で、色絵陶器の先駆者とされています。彼の作品は鮮やかな色彩と上品なデザインが特徴で、特に金色や藍色の使い方が秀逸です。この「仁清写し松竹梅鶴の絵茶碗」にも、仁清の影響が強く感じられる要素が数多く見られます。青い松と金色の鶴が施された茶碗は、まさに仁清の色彩美と華やかさを引き継いでおり、その上で宮川香齋独自の表現が加えられています。

仁清の影響を受けた「仁清写し」は、単なる模倣ではなく、彼の技法を基にしてさらに発展させた新しい創作を意味します。つまり、仁清の伝統的な技法に基づきつつも、茶碗に描かれた絵柄や装飾、形状に新たな解釈やデザインが加えられており、仁清の精神を現代に生かした作品とも言えるのです。

宮川香齋家の伝統

宮川香齋家は京焼の名門として知られ、その技術と伝統は代々受け継がれています。特に宮川香齋家の特徴的な技法として知られるのが、ワラ灰釉です。ワラ灰釉は、藁を焼いて灰にし、それを釉薬として使用する伝統的な技法で、この技法によって茶碗に柔らかく青みがかった、温かみのある風合いが生まれます。このワラ灰釉は、仁清も使用していたとされ、宮川香齋家が特に得意とする技法です。仁清写しの作品にもこの釉薬が用いられており、その効果によって茶碗に独特の色合いと質感がもたらされています。

また、宮川香齋家は、**真葛焼(まくずやき)**という技法を駆使することで知られています。真葛焼は、江戸時代中期に京都で始まった陶器の一つで、その繊細な釉薬の使い方や色彩の美しさが特徴です。宮川家が代々引き継いできた真葛焼の技術は、日本国内外で高く評価され、多くのコレクターや愛好家に支持されています。特に、ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)やユネスコ日本政府代表部(パリ)など、世界的な美術館や文化機関にも収蔵されており、その価値は国際的にも認められています。

宮川香齋家の歴史と影響

宮川香齋家は、約330年にわたる歴史を持つ陶芸の名家です。その歴史は、江戸時代前期、貞享年間(1684~1687年)に遡ります。宮川小兵衛政一が、近江国坂田郡宮川村(現在の滋賀県長浜市)から京都に移り住み、知恩院の門前で陶器の商いを始めたことが、その起源とされています。その後、政一の息子たちが「治兵衛」や「長兵衛」を名乗り、宮川家の陶芸の技術を発展させていきました。

その中でも、五代目の長造が特に優れた名工であり、彼が東山真葛ヶ原に窯を開いたことが、真葛焼の始まりです。長造の四男である虎之助は、横浜に移り初代真葛香山となり、一方で治兵衛家は祐閑を六代目として引き継ぎ、その後「宮川香齋」を名乗り、現在に至るまで続いています。

現代においては、七代目の宮川香齋がその伝統を受け継ぎ、茶道具や京焼の制作に取り組んでいます。330年の歴史を持つ宮川香齋家の作品は、古典的な美意識と現代的な創造性を融合させたものであり、国内外で高い評価を受け続けています。「仁清写し松竹梅鶴の絵茶碗 宮川香齋」は、伝統的な京焼の技術とデザインを受け継ぎながらも、現代の茶道文化に寄り添う芸術作品です。松竹梅や鶴といった縁起物の象徴的な意味が込められ、茶碗全体には宮川香齋家独自の技法と美意識が反映されています。この茶碗を使うことで、単にお茶を楽しむだけでなく、長寿や繁栄、家族の絆など、多くの吉祥の意味を心に感じながら、茶の湯の精神を深く味わうことができるでしょう。

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